東京成徳大学
1998 年 47 巻 7 号 p. 33-44
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九州を中心とする西南日本の盲僧が琵琶を弾奏しながら語った『地神経』は、朝鮮の盲覡(読経師、経巫)が読誦した『地心経』と、ほぼ同一の疑偽経典である。日本では土佐のいざなぎ流や奥三河の大土公祭文をはじめ、各地の土公神祭文や五行神楽の詞章にみられるように、その釈文は<五郎王子譚>として広く流布した。本稿では、天文暦数や陰陽五行説、中国の盤古説話などを包摂しながら、重層的な展開をみた、語り物としての軌跡を、中世社会のなかに位置づけることを試みた。
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