大東文化大学
2001 年 50 巻 5 号 p. 18-26
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藤原浜成によって編まれた日本初の歌学書『歌式』は、歌における「病」と「体」とを扱った書である。ここで語られる歌病や歌体とは、詩病説の援用や単なる比喩ではない。そこには、異界と通じ、「気」の働きを知るのが人間における「病」だとする古代的病観と、中国六朝詩学に先鋭的に発見される「音」と「気」をめぐる論理とを二つの軸にしながら、万物生成の根源たる「気」を感得している。ここにおいて初めて歌は天と人とを感応させることが出来るのである。
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