フェリス女学院大学大学院
2001 年 50 巻 8 号 p. 51-61
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母藤壺の女御を失った女二の宮を案じ、今上帝は薫を婿に選ぶ。物語の輻輳的な時間構造の語りに着目すれば、浮舟物語において装置として機能する女二の宮のありようが見出される。薫の栄華の象徴である女二の宮は、同時に、宇治の物語に繰り返し裂け目を入れ、それが都の論理の一方で展開されていたにすぎないことを明らかにして、都の論理との相関関係のただ中にあることをつきつける、語りの装置として機能するのである。
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