東京大学大学院
2004 年 53 巻 3 号 p. 58-67
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馬琴初期の黄表紙『大雑書抜草縁組』と、中・後期の読本『美濃旧衣八丈綺談』・『近世説美少年録』との間に、易卦あるいは五行の原理による趣向の継受が見られ、いずれも『美少年録』において集大成されている。これらの易学的趣向は、馬琴の作品とその粉本の白話小説との大きな違いであると共に、作者ならではの因果応報・勧善懲悪の思想と対になる形で、小説世界における事物運行の法則性をいっそう強化した装置でもある。
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