日本文学
Online ISSN : 2424-1202
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白拍子・乱拍子の声 : 歌声の脱雅楽化をめぐって(<特集>中世文学における「音」・「声」)
沖本 幸子
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2004 年 53 巻 7 号 p. 22-31

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抄録

平安時代を通して宮廷音楽の中心は雅楽であり、歌声もまた、雅楽の、特に笛の音に規定されるものとして存在していた。これに対して、能楽の声につながっていくような、雅楽の音にとらわれない歌声は、いつ頃からどのような形で登場してきたのか。平安末期から鎌倉初期にかけて流行した「白拍子」「乱拍子」という芸能の声の姿に注目しながら、世阿弥の音曲論につながる、中世的な歌声の始まりについて考察する。

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