日本文学
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室町絵巻の環境と表現 : 土佐行広から土佐光信・土佐光茂へ(<特集>中世文学を生み出す環境)
高岸 輝
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2009 年 58 巻 7 号 p. 41-48

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抄録

本稿は、室町時代の土佐派絵師が制作した絵巻のなかに描かれた「風景」の描写の変遷を追う。十五世紀前半の土佐行広は、実際にスケッチを行うことなく既存のイメージを貼り合せて風景を編集するのに対し、十五世紀末の土佐光信は、絵巻の舞台となる山をスケッチしている。さらに十六世紀中葉の土佐光茂は、環境のなかに自ら身をおいて遠近の風景を自在に描いており、ここに近世的な視覚の成立をみることができる。

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© 2009 日本文学協会
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