日本文学
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『徒然草』「第一部」と光源氏
中野 貴文
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2010 年 59 巻 6 号 p. 1-11

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抄録
『徒然草』のいわゆる「第一部」には、『源氏物語』中でも「賢木」から「須磨」にかけての光源氏を彷彿とさせる章段が散見する。これは兼好が、失脚し閑居において無聊を筆で慰める源氏の姿を借りることで、出家者の自己表現という特異なテキストを書き進める根拠としたためであると思われる。『徒然草』「第一部」の内容は、兼好固有の思想として即時的に理解されるのではなく、むしろこのような執筆姿勢によって規定されたものと把握されるべきである。
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© 2010 日本文学協会
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