日本文学
Online ISSN : 2424-1202
Print ISSN : 0386-9903
特集・古代文学における異言語
漢詩文発想の和文『土左日記』
—初期散文文学における言説生成の方法—
東原 伸明
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2011 年 60 巻 5 号 p. 40-45

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抄録

益田勝実の「漢文にはカタがあったが、和文(散文)にはカタがなかった」という見解に反論する。「漢詩文発想の和文」という視座から初期散文文学である『土左日記』の言説は生成されていったと説く。具体的には、漢詩文に長じている作者、紀貫之は、初期散文を生成する際に、「異言語」である漢詩文の「対」の発想を規範として、「虚構」の場面や日次の記事を紡いでいったことを論じている。

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© 2011 日本文学協会
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