早稲田大学大学院
2011 年 60 巻 9 号 p. 29-39
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村上浪六の『三日月』(明二四)は従来大衆小説の一ジャンル「撥髪小説(ばちびんしょうせつ)」の嚆矢として捉えられ、批評家内田不知庵(うちだふちあん)がその文学的価値を当初から否定した人物として位置づけられてきた。本稿は、『三日月』を論じた不知庵の評論を「詩(ポーエトリイ)」の観点から捉え直すことで、不知庵が浪六の登場時、『三日月』に同時代の文学観を刷新する「小説」の可能性とそれを妨げかねない可能性をともに見出していたことを論じた。
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