北海道武蔵女子短期大学
2012 年 61 巻 12 号 p. 1-12
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本論は、『うつほ物語』における内親王獲得の明暗という視角から論じる。主な考察対象は、藤原仲忠と源祐澄である。史上の皇女の婚姻状況を見据え、「皇女を盗む」行為の特殊性をあぶり出すとともに、祐澄による女二の宮強奪未遂事件に至る過程に、周到な語りの方法が用いられていることを明らかにしたい。さらに、その女二の宮強奪を仲忠が阻むという構図から、初の長編物語が終焉を迎えるにあたって辿り着いた志向性を読み取ることを目的とする。
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