東京大学
2012 年 61 巻 2 号 p. 37-47
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一九七〇年代末から八〇年代初めにかけて、中国大陸でブームを巻き起こした日本の社会派推理小説とそれを原作とする映画は、「法」にかかわる文学として位置づけられた。実際〈翻訳〉された中国語版の映画にも「法」がはっきりと刻み込まれていた。本論は、『人間の証明』と『砂の器』を中心に、日本語版の小説から中国語版の映画に至るまでの転換過程を辿り、特殊な歴史的状況のなかで日本の社会派推理小説を原作とする映画が如何なる機能を果たしていたかを考察する。
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