北海道大学大学院
2013 年 62 巻 6 号 p. 23-35
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本稿は、これまで「不徹底」な探偵小説あるいは単純な幻想小説として捉えられてきた佐藤春夫「指紋」を、同時代的な技術との重層的な関係から再検討し、当時の探偵小説ジャンルの布置を問い直すものと位置づけた。具体的には、R・Nの探偵行為を再主体化の過程として読む時、彼が映画や指紋といった当時の技術により新たな知覚主体へと再編され、その様態こそが「指紋」の「幻想性」を生み出していたことを明らかにした。
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