日本文学
Online ISSN : 2424-1202
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〈郊外〉文学者・萩原朔太郎
――「郷土望景詩」『氷島』『猫町』から幻の家郷まで――
安 智史
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2014 年 63 巻 2 号 p. 31-43

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抄録

詩人・萩原朔太郎を、関東大震災後の東京郊外に移住し、郊外化現象をテクスト化した文学者として捉え直した。彼にとっての「郊外」は、郷里前橋の郊外、東京東郊(田端)をへて、西郊(馬込、小田急線沿線)へと変遷する。それは遊歩空間であると同時に、都市消費社会の確立にともなう社会状況との緊張関係の渦中に、彼自身を投げ込む場所でもあった。その諸相を朔太郎の散文(散文詩、エッセイ、小説)および詩集『氷島』収録詩篇を中心に検証した。

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