青山学院大学大学院
2014 年 63 巻 6 号 p. 22-29
(EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksとの互換性あり)
(BibDesk、LaTeXとの互換性あり)
延慶本をはじめとする『平家物語』諸本には「頼朝は謀叛によって日本国を掌握する力を「天」に与えられた」という思想が散見される。中国の易姓革命思想に基づいていると考えられるが、このような思想は日本の天皇制とは全く相容れない。
日本における「天」は仏教や神道とも習合して天皇制と共存しうる思想へと変容を遂げてきたが、南北朝期には「天は帝よりも上位に位置する」ことを前提とした思想が定着しており、『平家物語』はその早い段階として位置付けられると考えられる。
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら