2017 年 66 巻 10 号 p. 23-33
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寛政五年刊行の『四方義草』は、都賀庭鐘や上田秋成による前期読本の試みを作者なりに受け継いだ作品とみなしうる。白話小説との関係で説かれることの多い前期読本であるが、序文で「直き」ことを標傍している作者姿勢は、前期読本がめざした勧善懲悪によらない倫理的な作品のあり方を追究したものとして注目に値するものであり、前期読本が育んだ近世短編小説の方法を解明するうえでも重要な作品である。
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