本稿では,M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)によって,学習者の相互自己評価活動に対する認識を調査・分析した。分析からは,学習者らが,学習者同士が互いに行うという相互自己評価活動に対して心理的負担を抱きながらも,これらの葛藤と向き合い,評価を再解釈していくプロセスを生み出していったこと,自身の価値観が変化したことに意義を見出し,この変化を将来の日本語学習への動機付けとして位置づけるようになったことが明らかになった。一方で,このように相互自己評価活動に対して意義を感じつつも,不満も抱いていることが明らかになった。以上の分析結果を踏まえ,相互自己評価活動の意義と課題を考察した。