日本語教育
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調査報告
「誘い」談話における再勧誘の言語行動の特徴
――中国語母語話者と日本語母語話者の比較――
黄 明淑
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2016 年 164 巻 p. 64-78

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抄録

 本研究は,「さくらんぼ狩りへの誘い」というロールプレイデータを用いて,中国語母語話者(以下CNS)と日本語母語話者(以下JNS)の「誘い」談話における再勧誘の言語行動を比較することを目的とする。分析の結果,1)再勧誘のやりとりの回数においては,CNSがJNSより有意に多かった。2)再勧誘の切り出しの意味公式別使用数においては,CNSは「意志要求」がJNSより有意に高く,JNSは「受け止め」がCNSより有意に高かった。また,再勧誘を構成する各意味公式の生起頻度においては,「受け止め」「気配り発話」「同意表明」において,JNSがCNSより有意に高く,「代案提示」「誘導発話」「意志要求」「理由尋ね」「負担軽減」「相手非難」において,CNSがJNSより有意に高いことが明らかになった。以上の結果から,CNSは積極的で,自分を強く押し出す目的達成型で,JNSは無理強いをしない対人配慮型であることが示唆された。

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© 2016 公益社団法人 日本語教育学会
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