日本語教育
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寄稿論文
オリンピックの経済言語学
――グーグル検索と言語景観――
井上 史雄
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2016 年 165 巻 p. 3-17

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抄録

 ここでは,オリンピックの言語問題を論じる。経済言語学的観点から2種の資料を提示する。第1として,グーグル検索を利用し,オリンピックと言語への言及の変化を見る。言語の市場価値は,かつては戦争に左右されたが,現代は経済に影響を受ける。オリンピックへの関心は短期間で,言語への関心や習得が長期にわたるのと,タイムスパンが違う。スポーツ大会は言語に限定的な作用しか与えない。

 第2として,開催都市の言語景観を考察する。オリンピックはじめスポーツ関係の国際的行事で多言語景観が出現する。しかるに2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは,日英+ピクトグラムを基本にするそうで,公的言語サービスとしては後退を示す。ただ私的企業としては,多言語化によって客を呼び込む可能性があるわけで,ビジネスチャンスととらえることができる。

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© 2016 公益社団法人 日本語教育学会
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