日本語教育
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実践報告
留学生と日本人の混成グループによる対話活動の再設計に向けて
――対話がどのように生まれ,つくられるのかを観点に――
岡田 亜矢子
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2018 年 169 巻 p. 62-77

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抄録

 本稿は筆者が担当する大学での授業で実践した対話活動において,対話がどのように生まれ,つくられるのかを分析,考察し,今後の活動再設計に向けて行ったものである。授業開始時の留学生の日本語学習への希望は,日本語コミュニケーションスキルと,日本語を使って実現したいこと (研究室コミュニティメンバーの一員として存在し十分に参加したい) の2点が毎回挙がる。そこで,後者の希望を目標に据えた対話活動を設計し実践してきた。日本人も参加する対話活動の録音と,活動後に参加者記述の振り返りシートのデータを「聴く・つなぐ・もどす」の分析観点で,対話のうねり度合いをスケール化し,対話の動きの変化を時間軸のグラフで可視化して分析,考察した。その結果,対話が生まれ,つくられるのに大きく関与する要素は,グループ活動の進め方,対話の場での態度や参加の仕方,グループ活動での支援と環境づくりの必要性の3点に集約された。

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© 2018 公益社団法人 日本語教育学会
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