日本語の研究
Online ISSN : 2189-5732
Print ISSN : 1349-5119
小特集:越境する日本語研究
大分方言における動詞終止形の撥音化とその意味するところ
江口 正
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 14 巻 2 号 p. 34-50

詳細
抄録

九州各地の方言は動詞活用の組織に特徴があり,二段活用(特に下二段)が残存して古い特徴を保つ一方,一段動詞がラ行五段化するという新しい変化の方向を併せ持つ。このふたつの特徴は方向性が逆であるため,別個の説明が与えられることが多かった。本稿では,大分方言に見られる動詞終止形の撥音化現象を手掛かりに,それらの特徴はいずれも「同音衝突の回避」が関係するという仮説を提出する。

著者関連情報
© 2018 日本語学会
前の記事 次の記事
feedback
Top