日本観光学会誌
Online ISSN : 2436-7133
Print ISSN : 1341-8270
森林公園の持つ夏期レクリエーション価値-個人トラベルコスト法の適用-
中谷 朋昭出村 克彦
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ジャーナル オープンアクセス

1997 年 31 巻 p. 19-28

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抄録
本稿は, 北海道にある富里湖森林公園における農業社会資本の多目的利用に対する公共投資の効果を個人トラベルコスト法(ITCM)により評価しようと試みるものである。富里湖森林公園は, 農業用潅漑ダムやキャンプ場, 遊技場やその他の施設が整備されており, 特に夏場の観光レクリエーション価値を提供していると考えられる。 富里湖森林公園における夏場のレクリエーション活動に対する需要関数として, 個人の訪問頻度関数を推計した。これによれば, 森林公園における農業用潅漑ダムの多目的利用は, 年間約6,500万円のレクリエーション便益を生み出していることが示された。 本稿の結果に基づけば, 富里湖森林公園における農業社会資本の多目的利用に対する公共投資は, レクリエーション価値という公益的価値を生み出しているとの結論を得た。
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© 1997 日本観光学会
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