日本化学会誌
Print ISSN : 0369-4577
一般論文
末端に長鎖アルキル基を有するポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド]の分子集合性
杉山 一男花村 亮
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2000 巻 (2000) 8 号 p. 577-583

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抄録

新規なドラックデリバリーシステム(DDS)用のキャリヤー高分子の調製を検討した。ポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド](PHPMA)の片末端に長鎖アルキル基を導入した両親媒性ポリマー,PHPMA-C12,PHPMA-DC12およびPHPMA-C18をそれぞれ2-メルカプトエタノール存在下,4,4′-アゾビス(ドデシル=4-シアノペンタノアート)(VA-C12),4,4′-アゾビス[(2-ドデシルオキシ-1-ドデシルオキシメチルエチル)=4-シアノペンタノアート](VA-DC12)および4,4′-アゾビス(オクタデシル=4-シアノペンタノアート)(VA-C18)を開始剤とするN-(2-ヒドロキシプロピル)=メタクリルアミド(HPMA)のラジカル重合から得た。また,両末端にオクタデシル基を有する両親媒性ポリマー,PHPMA-2C18は1-オクタデカンチオール(ODT)を連鎖移動剤とし,VA-C18を開始剤とするHPMAの重合から得た。これら一群のポリマーの水中における分子集合性を1-(6-ジメチルアミノ-2-ナフチル)-1-ドデカノン(DMAND)をプローブとする蛍光プローブ法から検討した。その結果,分子集合する臨界濃度(CMC)はPHPMA-C12>>PHPMA-DC12>PHPMA-C18>>PHPMA-2C18の順に小さくなり,PHPMA-2C18が最も疎水性ドメインを形成しやすいことがわかった。また,発色性合成基質S-2238を用いたフィブリン形成阻害試験から,PHPMAはトロンビンの触媒活性を加速しないことがわかり,PHPMAはDDSのキャリヤー分子としての可能性があることが認められた。

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© 2000 The Chemical Society of Japan
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