工業化学雑誌
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低乾クレゾール1号中の強酸性油
山田 慶照
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60 巻 (1957) 7 号 p. 921-925

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抄録

低乾クレゾール1号は異臭があり,蒸留直後は無色透明であるが,これを放置すると著しく着色する。
この異臭,自然着色の原因は主としてこの中に含まれている1.350vol%の不純物によるものと思われる。
本報告は低乾クレゾール1 号の品質低下の原因をなす不純物を究明し, その除去法を製造過程に応用し, 製品の品質向上をはかることを目的として行った実験である。
前に報告したように,低乾クレゾール1号の自然着色には,強酸性油もかなりの影響を与える。またその低沸点留分と高沸点留分中に,とくに自然着色に大きい影響を与える不純物が存在する。
そこで本報告においては低乾クレゾール1号の低沸点留分および高沸点留分から強酸性油をとり出し,その検索を行った。
その結果,低乾クレゾール1号の低沸点留分中の強酸性油にプロピオン酸,イソ酪酸,n-酪酸,イソ吉草酸,n-吉草酸の存在を,また高沸点留分中の強酸性油にカテコールの存在を認めた。
これらの低級脂肪酸は特有の強い臭気をもち,またカテコールは空気中において著しく着色するから,低乾クレゾール1号の異臭,自然着色はこれらの不純物にもその原因の一部はあるものと思われる。

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