61 巻 (1958) 12 号 p. 1640-1644
SnCl4を触媒とする30℃でのスチレンの陽イオン重合において,移動および停止反応速度定数比を求める方法を見出した。この方法を用いてベンゼンー塩化エチレン溶媒中の重合でTiCl4,SnCl4,FeCl3およびBF3・O(C2H5)2を触媒とした場合の移動および停止反応の速度定数に対する触媒の種類の影響を求めた。モノマーおよびベンゼンに対する移動定数は開始反応と同様に,触媒の酸強度が大きいほど大となった。また自己停止反応は移動反応とは逆に触媒の酸強度の増加とともに減少する。これらの結果より陽イオン重合では触媒より生じた対陰イオンが重合中常に生長連鎖の末端付近に存在して, 各素反応に影響を与えることが明らかとなった。