リン酸系混酸は繊維素を崩壊することが少ないので,繊維素の重合度測定用として一般に使用されている。この場合これら硝化によってえられた硝化物の硝化度,粘度が混酸組成および硝化条件一定の場合,常に一定の値を示さなければ意味がない。著者は従来の諸研究者の硝化研究の結果を比較して,相当差異のあることを認め,この原因が混酸作製条件の差異に基く正リン酸含有量の差によるものであることを推察した。そうして著者の実験の結果もこれを裏づけることが出来た。この系の硝化物のアセトン可溶度と膨潤度の測定から硝化はフィブリル均一反応で行われることを知った。また硝酸分の少ない混酸では反応は繊維不均一反応に移行している。