工業化学雑誌
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銅硫化物の表面におけるゴムモデル物質の反応
大和 達実田中 幸男笹田 照夫
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61 巻 (1958) 2 号 p. 255-257

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抄録

ゴムと真鍮の接着でBuchanは硫化された真鍮表面とゴムが反応して,ゴムと真鍮の間に化学結合をつくる。これが接着の主要な力となると述べているが,この反応機構には疑問があるので,反応機構を確定するため前報に続いてこの研究を行った。
溶媒に可溶部分を十分除いた硫化第一,第二銅とゴムモデル物質を反応させた後,溶媒で6時間洗浄して物理吸着しているゴムモデル物質を除いて熱天秤にかけ,温度上昇に伴なう重量変化を測定した。この結果温度上昇による重量変化が認められないので硫化第一,第二銅表面に化学結合するゴムモデル物質は存在しないと考えられる。また物理吸着を除いた試料を金属メルカプチドの溶媒で知られるベンゼソでさらに12時間抽出し,この抽出液中の銅メルカプチドをペーパークロマトグラフ法, 分光分析法を併用して検出を試みたが, 存在は認められない。これに反して前報の真鍮とメルカプタンを反応させた試料の抽出液からは明らかに銅の存在することが認められた。以上のことからゴムと真鍮の接着機構は前報に述べたとおり加硫の際ゴム中に生じるメルカプト基と真鍮との間に化学結合が生じると考えるのが妥当であって,真鍮の銅がまず硫化物となり,これとゴムが反応してゴムと真鍮の間に化学結合を生じるとは考え難い。

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