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工業化学雑誌
Vol. 62 (1959) No. 9 P 1469-1472

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http://doi.org/10.1246/nikkashi1898.62.9_1469


ポリスチレンのオリゴマーの中,4種の2量体を合成し,ポリマーの赤外線吸収スペクトルとの比較を行った。Tail to Tail dimer, Head to Tail dimerは,ポリマーと類似した吸収を示すことが明らかとなり,またH-T dimerでは,9.34μ付近が三つの吸収に分裂していることが観察された。結晶性ポリスチレンでは,無定形ポリスチレンに見られる9.34μ(1070cm-1)の吸収が二つに分裂することが知られていることと関連して,もし無定形ポリスチレンの9.34μの吸収が,ランダムなconfigurationに基づき,結晶性ポリスチレンのその吸収の分裂が,かなりの重合度にわたって,規則性を持ったisotactic構造によるものだと考えるとき,2量体(重合度2に対応する)においては,それ以上の重合度のポリマー鎖の場合よりも,isotactic構造をとりうる確率は高いことが容易に想像される。したがって,H-T dimerに現われた9.34μ付近の吸収のうち,その両端の吸収は,isotacticポリスチレンに類似的であると考えられる。
なお,H-H dimerのメゾ,ラセミ両型はともにポリスチレンの吸収と全く酷似性に乏しく,ポリスチレン鎖にこの型の結合様式はないように思われる。

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