63 巻 (1960) 11 号 p. 1896-1899
液体ロケットの酸化剤として,あるいは飛しょう体に搭載する動力源として,高濃度過酸化水素は将来とも重要な推進薬である。市販の過酸化水素は30~35%の水溶液であるが,ロケット推進薬として使用する場合は80%以上の濃度が必要とされ,また,これをH2O(水蒸気)とHに分解する活性の大きい触媒を見出すことが重要な研究課題である。本研究はこの点に重点を絞って研究を行なった。
濃縮法としては2段減圧蒸留法を採用して,30%の過酸化水素水より90%の非常に安定な製品が高収率で得られ,またその分解触媒として,鉛,銅,マンガン等の酸化物を焼成,成形することにより,活性が大で寿命の永いすぐれた触媒が得られた。更に小型の分解試験を行なって良好な成績が得られたので,この結果を報告する。