工業化学雑誌
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メチルベンジル・トリメチルアンモニウムヒドロキシド(MBTMAH)の熱分解
小田 良平中岡 憲一
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1961 年 64 巻 11 号 p. 1992-1994

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抄録
トルエンをクロルメチル化してo-およびp-クロルメチルトルエンの混合物をつくり,これにトリメチルアミンを作用させて,メチルベンジル・トリメチルアンモニウムクロリドとなし,これにメタノール中でカセイカリを作用させてMBTMAH(o-およびp-体の混合物)をつくり,これをメタノールまたは水の共存下に,常圧または減圧で130℃付近に加熱してその分解の様子を研究した。アメリカ特許2757146に記載めように,このMBTMAHの熱分解でかなりの量のポリ-p-キシリレン様のポリマーが生成することを確かめた。そのほかに,メタノールの共存下の分解生成物としてトリメチルアミンとメチルベンジル・メチルエーテルおよびメチルベンジル・ジメチルアミンがおもに生成すること,水の共存下の熱分解ではポリ-p-キシリレン様ポリマー以外には他の分解生成物は少ないことなどを認めた。この場合のポリ-p- キシリレン様ポリマーの生成機構についてはCH3C6H4CH2・ラジカルが中間に生成するものと思われるが,これを確かめることはできなかった。また,メチルベンジル・メチルエーテルができる経路は中間にメチルベンジル陽イオンが生成するものと思われる。
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