工業化学雑誌
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タール油の蒸気圧
尾崎 知良
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1961 年 64 巻 3 号 p. 543-547

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抄録

タール系統の物質の蒸気圧,潜熱等の正確なデータについては純粋成分について研究されているが,それらは工業的に取扱われるタール留分すなわちタール混合物には余り役立たない。また沸点以上の温度での蒸気圧は測定の難しさもありほとんど知られていない。
したがってタールをピッチを取除いて6留分に精留し,各留分につき100~350℃でリン酸浴および電気炉を温度浴として常圧下での蒸気圧を測定し蒸気圧曲線を求めた。得られた曲線は各留分についてlogP=-M/T+C式によく適合し,各留分についての定数MCの値は高留分ほど増大するので,各留分の平均沸点,平均分子量,屈折率等との相関性について検討し,logMとの間におのおのほぼ比例関係があり,CMに大体比例することから,この実験的関係を利用してタール留分の蒸気圧曲線を推定し得ることを知った。

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