工業化学雑誌
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n-ブチルリチウムを一成分とする触媒によるメタクリル酸メチルの立体特異性重合
古川 淳二鶴田 禎二中山 幸雄川崎 明裕和才 剛
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1961 年 64 巻 3 号 p. 591-594

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抄録

メタクリル酸メチルの立体特異性重合を研究する目的で,n-ブチルリウムを一成分とする触媒で,メタクリル酸メチルを重合し,結晶性ポリメタクリル酸メチルをえた。すなわち,n-ブチルリウム単独ではタイプIIIポリマーが生成するような条件下で,あらかじめ臭化マグネシウム,臭化カドミウム等のある種のハロゲン化金属を飽和溶解させたメタクリル酸メチルを使用して,n-ブチルリウム触媒で重合すると,タイプIIポリマーがえられる。また同様な条件下で,n-ブチルリウムとクロム酸カリウムの反応生成物を触媒として重合を行なうと,クロム酸カリウムの量が増大するにつれて,生成するポリマーの結晶性のタイプがIIIからIIに連続的に移行する。なお,n-ブチルリウム単独触媒による重合では,種々の重合条件に応じて,タイプIIあるいはIIIポリマーが生成する。タイプI,II,IIIポリマーの赤外線吸収スペクトルについても簡単にふれる。

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