64 巻 (1961) 3 号 p. 595-596
アクロレインからアクロレインオキシムを合成し,これを重合せしめ,重合物の還元によりポリアミンの合成を行なった。アクロレインオキシムは自然重合,ラジカル触媒重合あるいはγ線照射重合するが,フッ化ホウ素を触媒とする陽イオン重合の場合最も容易に重合することが認められた。各種重合条件下で得られた各重合物はmp70~100℃の吸湿性白色粉末で,ピリジン,ジメチルホルムアミド,酸性あるいは塩基性水溶液に可溶性で,アルコール,ベンゼン,ジオキサンおよびエーテルなどには不溶性であった。元素分析値および赤外吸収スペクトルから各重合物はビニル基により線状に重合した構造をもち,各重合物間の顕著な構造の相異は認められなかった。ここで得られたポリアクロレインオキシムを水素化ホウ素ナトリウム,ナトリウムアマルガムおよびラネーニッケルを触媒として使用して水素化反応を行なった結果,反応生成物(すべて酢酸塩とした)として水あるいはアルコールに可溶性の帯黄色粉末あるいは帯褐色のワックス状物質が得られ,これらのアミノ基含有量を定量したところ,ラネーニッケルを使用した場合,アミノ基含有量は理論量の約80%であった。