工業化学雑誌
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還元性物質の存在における亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムとの反応
内藤 輝彦
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65 巻 (1962) 12 号 p. 1916-1918

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抄録

本報は微アルカリ性の下における,亜塩素酸ナトリウムの作用につき分析的方法によって研究したものである。微アルカリ性の下で活性化剤として次亜塩素酸ナトリウムを用いる方法をHypoactivation法というが,この時に還元性物質が存在するときの作用機構を調査した。
Hypoactivation法においては二酸化塩素が途中の過程において生成する。微アルカリ性における反応においてはこの二酸化塩素が重要な意味を有する。亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムの混合溶液において,微アルカリ性においては,この二酸化塩素と次亜塩素酸ナトリウムが活性物質であって,亜塩素酸ナトリウムはなんらの酸化力も有さない。
二酸化塩素の作用については,還元剤のない場合は加水分解して,ClO2-とClO3-とを各等モルずつを与えるが,還元剤の存在する場合は,ClO3-の生成が減少して,Cl-の生成が増大する。
亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムの相互作用については,還元剤の存在で亜塩素酸ナトリウムの反応量が減少し,またClO3-の生成も少なくなる。これは,次亜塩素酸ナトリウムが亜塩素酸ナトリウムと反応する以前に還元性物質と反応するためであると見られる。
なお亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムの混合溶液で実際にパルプ漂白を行ない,次亜塩素酸ナトリウムによる通常の漂白法に比べ,パルプ重合度の低下が少なく,十分な白色度まで漂白されることを明らかにした。

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