工業化学雑誌
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イオン交換膜におけるウラニルイオンの透過性
上井 一郎
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65 巻 (1962) 8 号 p. 1234-1237

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抄録

ウラニルイオンの不均質イオン交換膜における透過性を5室電解槽を用い,電流密度,pH,濃度を種々に変えて検討した。陽極室を陽イオン交換膜で,陰極室を陰イオン交換膜で,中央の希釈室の両側を陰,陽イオン交換膜で仕切る。電極室以外の各室に一定濃度の原液( U O 2 S O 4 とN a C l またはN a 2 S O 4 との溶液) を入れ, 希釈室の原液は塩酸または硫酸でpHを調節して下方より上方へ毎分8mlの速度で流し,両隣りの濃縮室は固定して,1時間電解透析後,濃縮室の濃度を定量する。実験結果のうち,主なるものをあげると1)陽,陰イオン交換膜に対して同時に透過し,明らかに溶液中に陽イオン,陰イオンが混在することを示し,ウランの両性的性格が確認される。2)pHの影響は複雑であって,硫酸濃度を高くすると,陰イオンが陽イオンより透過性が大で,硫酸濃度の減少とともに,両イオンの透過性の差が小となる。また両イオンともpH3付近に極大をもつ。3)硫酸ウラニル溶液を硫酸でpHを調節する場合にくらべ,塩酸でpHを調節すると濃縮比が遙かに大になる。この塩素イオンの効果は特に低濃度では著しい。4)陽イオンの陰イオンに対する透過比は,電流密度あるいはpHの増加とともに上昇し,濃度の増加に対しては極大が現われる。

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