工業化学雑誌
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アルミナ存在下での炭素の加圧・加熱処理
野田 稲吉田中 満
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65 巻 (1962) 9 号 p. 1329-1332

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抄録

αアルミナ微粉中で炭素を加圧(常圧~8×103kg/cm2)・加熱(1,500~2,700℃)処理し,その黒鉛化度をX線によって測定した。原試料はファーネスブラックをピッチで押出成形し,900℃に仮焼した径5mmの丸棒である。試料を上下のピストンの間にはさみ,周囲をアルミナで囲み,油圧プレスによって加圧し,直接通電によって加熱した。圧力はプレスゲージから計算によって求め,温度はあらかじめ常圧で求めた温度-入力電流曲線を使って推定した。加圧・加熱処理後の試料はかたいアルミナの殻にかこまれ,生成黒鉛結晶は中心に向って放射状に並んでいる。圧力が高いほど試料の黒鉛化は良好であって,常圧で2,670℃に加熱したもののc0値が6.784Åであるのに対して,6×103kg/cm2では約2,600℃で,8×103kg/cm2では約2,400℃で天然黒鉛のc0値6.708Åと同程度のc0値をもつものとなった。試料中にはαアルミナの混入のほかにアルミニウムカーバイドの存在が認められた。したがって,本実験の結果はアルミニウムカーバイドの生成・分解をくり返すことによる黒鉛化の促進と考えられる。

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