66 巻 (1963) 11 号 p. 1567-1570
赤外吸収スぺクトル法による定量は通常標準物質を用い,頂点強度法により行なわれているが,この測定法は標準物質が得られない時には適用できず,頂点強度は器差が大きいため,文献値の借用はできないといわれている。そこで器差の少ない強度測定法を検討するために,Ramsay法による絶対強度と分子吸光係数比をとり上げ,各種多数の装置を用いて測定した。その結果,共に満足すべき結果が得られたが,絶対強度の場合には,半値幅の測定の誤差が大きく,装置間の変動係数は5%程度であった。これは装置などを改良することにより更に改善されると考えられる。分子吸光係数比に関しては,3%程度の変動係数で一致し,十分文献値を利用できることがわかった。両方法ともに岩塩プリズム使用の分光光度計では装置の両端,すなわち,約3600cm-1以上と約750cm-1以下ではバラツキが大きくなり,注意する必要があった。