工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ロ紙展開法による粒子の簡易定量法-硝酸鉛粒子の定量-
伊藤 庸夫
著者情報
ジャーナル フリー

66 巻 (1963) 2 号 p. 194-198

詳細
PDFをダウンロード (1497K) 発行機関連絡先
抄録

空中粉塵の測定を簡易化する方法として,ロ紙展開法について検討した。適当な展開剤を用い,硝酸鉛粒子をロ紙上で展開させると,粒子は溶解し原点を基点として,展開方向に細長い楕円形のハン点を生じる。水,および極性有機溶媒の多くのものは,この型のハン点を生じ,展開剤として用いられる。ただ,鉱酸,有機酸では展開剤の浸透と共に不定形のハン点を生じて移動し,好ましくない。この結果生じたハン点の面積と粒子の量との間には,一定の比例関係が成立しており, 面積の測定から粒子の定量が可能である。なお, ハン点面積はロ紙の厚さによって変化し, 薄いものほど感度は上昇する。硝酸鉛粒子を水で展開した場合,鉛1γ 当たりのハン点面積は,東洋濾紙No.50の場合0.14cm2,No.51では0.25cm2であった。これらのロ紙(2cm×40cm)を用いた場合の測定限界は,およそ4~260γPb(No.50),2~150γPb(No.51)の範囲にあった。したがって,ロ紙展開法を用いれば,ハン点の色相,および面積の測定により粒子の確認,定量を簡易に行なうことができる。

著者関連情報
© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
前身誌

東京化學會誌

feedback
Top