66 巻 (1963) 8 号 p. 1152-1157
ジエチルマグネシウム触媒によるエチレンオキシドの塊状重合反応について研究を行なった。重合反応の初期にはポリマーの生成量およびその分子量は重合時間の経過と共に増大する。この事実から本重合反応は,既に報告した速度論的解析法において指適した逐次重合反応であることがわかった。また,ある一定時間後には未反応のモノマーが多量に存在するにもかかわらず重合反応速度は徐々に減少し,分子量も低下するという事実を観測した。このことについては,重合反応に伴ってポリマー鎖の切断反応が起こり,この切断反応数に比例して触媒の失活が起こると仮定することにより統一的に解釈することができた。ポリマー鎖の切断反応速度は一般にモノマー消費速度と開環モノマー数との積に比例する。また,この切断反応の活性化エネルギーは29.2kcal/molであり,モノマー消費反応の活性化エネルギー(15.8kcal/mol)に比べてはるかに大きい。