工業化学雑誌
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チオ尿素および尿素系化合物を含む臭化銀ゾルの電気泳動性に対する考察
鈴木 伸川越 俊吾平田 明大石 恭史片岡 達石田 鉄正渡辺 希美
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66 巻 (1963) 8 号 p. 1198-1203

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抄録

臭素イオン過剰の臭化銀ゾルのζ電位は,酸性ではチオ尿素の添加とともに負から正に変わる。一方,アルカリ性ではこのような変化は起こらない。pH一定下で, その点からζ 電位が正になるような限界pAgはチオ尿素の添加量の増大とともに高い値の方に移る。NH2のHをCH3基で置換せるチオ尿素誘導体は臭化銀ゾルの電気泳動に対して,チオ尿素の場合とほぼ同様な影響を与える。一方,1,1,3,3-テトラメチルチオ尿素の場合はわずか異なった影響を与えている。1,3-ジエチル-1,3-ジフェニルチオ尿素は臭化銀ゾルの電気泳動に対して著しく異なった挙動を示した。一般に,臭化銀ゾルに対するチオ尿素誘導体の添加はゾルを不安定化させ易い。尿素の添加は臭化銀ゾルに対して何らの影響も与えない。S-メチルイソチオ尿素の添加は臭化銀ゾルの電気泳動には,それほど著しい影響を与えぬが,色変化を生じた。これらの結果を総括して, 著者らは液相中におけるチオ尿素またはその誘導体の銀イオンとの反応に関して, 次のよ応機構を推定した。この反応の平衡または速度はR1置換基のいかんによって著しい影響をうける。
著者らは,また,チオ尿素の臭化銀吸着における重要な基は,NH2よりもむしろSであることを推論した。

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