抄録
クレゾールの高圧水素存在下における脱アルキル反応について研究を行なった。まず触媒の検討,o,m,p異性体の反応性の比較を行なった結果,Cr触媒(Al2O3担体)が最適であること,m-クレゾールは他に比して反応性の低いことが明らかとなった。また高圧流通法により,クレゾールの熱分解反応を反応速度論的に解析した。その結果,フェノールを生成する反応と,トルエンを生成する反応の反応次数が等しいことが明らかとなり,またこれを用い初速による解析,積分型を用いた解析法で検討した結果,いずれの場合においても,r=kPC0.75PH0.5の式で表わされることが実験的に確かめられた。