抄録
ポリビニルピロリドン(PVP) のガラス転移温度(Tg) をディラトメトリーによるV-T曲線から求めると, 乾燥状態では85~87℃であった。水分の吸収およびポリエチレングリコール(PEG)の添加により転移温度は降下するが,これは一定範囲の水分およびPEGの重量分率まではTg=A-Bplm(A,B:定数,pl:可塑剤重量分率)式にしたがう。すなわち水分では15%まで直線的に(m=1),PEGでは20%までm=1/2に従って降下,それ以上の含有率では,Tgは急速に低下する。また重量法により20℃におけるPVPの吸湿量を測定したが,一般の繊維ポリマーにおける等温吸湿曲線と同様な曲線を得た。