67 巻 (1964) 7 号 p. 1077-1081
塩化メチレンを溶剤として低温でシクロペンタジエンの放射線重合を行ない,その重合に及ぼす諸条件の影響および機構を検討した。全過程の重合速度はモノマー濃度の2乗および線量率に比例し,生成ポリマーの分子量は線量率に依存せず,全過程の活性化エネルギーは-78~0℃の範囲で-2.4kcal/molであった。また塩化メチレンの存在はシクロペンタジエンの重合を著るしく加速する。これらの実験事実は,シクロペンタジエンの放射線重合がカチオン機構で進行することを示すものと考えられる。遊離基重合の禁止剤であるDPPHの添加は重合率を約半分に低下させるが,DPPHが共存する場合の重合の活性化エネルギーより推定して, この禁止された部分は遊離基機構にもとづくものでないと思われる。さらにスチレンとの共重合を行ない,単量体反応性比(シクロペンタジエンM1,スチレンM2)としてr1=5.3,r2 =1.4を得た。