工業化学雑誌
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プロピレンの液相空気酸化機構
今村 寿一平田 道正河瀬 厳太田 暢人
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68 巻 (1965) 12 号 p. 2395-2399

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抄録

ベンゼン溶媒,175℃ でのプロピレンの液相空気酸化で得られた生成物の組成を詳しく研究し, さらに1 次生成物の被酸化性を同様の条件で測った。
プロピレン酸化ではアリルアルコールの生成はきわめて少なく,プロピレンオキシドはプロピレン酸化系で酸化に対してはかなり安定である。過酸化物はかなりの量存在し, その大部分は低沸点のジアルキルペルオキシドであった。“高沸点物” (湯浴上で1mmHgで真空蒸留した残留物) の平均分子式は, プロピレン反応率8%のとき(C6H10O)6,15~35%のとき(C3H5O)8であり,エステル結合,エーテル結合,過酸化物結合をもち,本酸化系で酸化分解を受けにくい。
本報および第1,2報の実験結果は次の反応機構を支持した。すなわち, プロピレンオキシドはBrillの機構によって生成する。1次生成物である低沸点生成物( カルボニル化合物, 酸など) は, CH2=CHCH2O・(I)やCH2=CH-CH2O2・(II)がプロピレンの二重結合に付加して生成するラジカルの酸化分解により生成する。高沸点物は連鎖停止反応生成物の一種である。

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