工業化学雑誌
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ビニルシクロプロパンおよびその誘導体の重合
高橋 高子山下 岩男
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1965 年 68 巻 5 号 p. 869-874

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抄録
1,1-ジクロル-2-ビニル-シクロプロパンは, 通常のイオン触媒では重合しなかったが, BPO,AIBN,KPS等のラジカル開始剤,γ線照射によって重合反応物を与えた。これらのポリマーの構造を赤外吸収スペクトル, NMRスペクトル等によって検討した結果,この重合反応が二重結合と三員環の両方が開いて進む1-5型重合を行なっていることを見出した。1,1ジブロム-2-ビニルシクロプロパンのラジカル重合も1-5型ポリマーを与えた。この観点から,チーグラー触媒によって1 - 2 型重合( ビ二ル重合) をすることが知られているビニルシクロプロパンの重合反応を, 他の各種の触媒を用いて検討した。その結果,ビニルシクロプロパンもラジカル重合においては主として1-5型重合を行なうことを見出した。またルイス酸触媒によっても重合物が得られたが,このポリマーは1-2型重合と1-5型重合から得られる二種類の単位構造を含み,そのうちで1-2型の方が多いと推定された。
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