電子工業用材料としての要求に応じ得る高純度リンを製造する目的で,市販黄リンならびに赤リンを出発原料とし,通常の精製操作では除去が困難とされている数種の不純物のうち,とくに微量ヒ素の除去を第一にとりあげてリンの精製を試みた。リンの酸,アルカリならびに吸着剤による処理とリンの蒸留を行なった結果はいずれも思わしくなく,リンの蒸留の改良法である“合金減圧蒸留法”が最もすぐれていることがわかった。蒸留条件はP:Al=1:0.1,P:Pb=1:1の重量比でそれぞれ750~850℃,450℃ に1 時間加熱還流し, その後5mmHgの真空度で200℃ で減圧蒸留することにより,60~70ppmのヒ素を10ppm以下にまで減少させることができた。