68 巻 (1965) 8 号 p. 1507-1512
アルカリ還元によりつくられた芳香族の陰イオンラジカルは,金属の陽イオンとイオン対をつくっているように思われる。そのため高分解能ESR装置では,陽子によるhfsが,アルカリ金属の核スピンにより更に分裂するのが見られる。後者の電子スピンー核スピン結合定数を,イオン問の電荷移動にもとづいて説明し,また金属イオンの芳香環上の運動を考慮することによって,温度依存性も評価した。ナフタリン-Na系においては温度の上昇とともに結合定数は増加し,ピフェニル-Na系ではその逆であるという実験事実をほぼ満足に説明できた。