ハロニトリルを添加剤の存在下にスズと直接反応させ,ニトリル基を持つ有機スズ化合物を合成した。スズはくに対して理論値の1.3倍量のICH2CH2CNのほかに,添加剤として少量のマグネシウムやテトラヒドロフランを三つ口フラスコに入れ,加熱しながらかきまぜて反応させた。130 ℃ で1.5 時間反応させ, 得られた結晶を再結晶するとmp 128~129 ℃ のI2Sn (C2H4CN)2 が得られた。この化合物は常温でアルカリ処理すると,ヨウ素は脱離してオキシドとなるが,シアン基は加水分解されない。これに塩酸または臭化水素酸を作用させるとCl2Sn(C2HCN)2またはBr2Sn(C2H4CN)2が得られた。またこのオキシドをアルカリと共に加熱すれば,Sn-C結合を保持したままでシアン基が加水分解され,塩酸で処理したあとでエステル化すればCl2Sn(C2H4COO・CH3)2となった。γ-ヨウ化ブチロニトリルやδ-ヨウ化バレロニトリルなどについても同様に検討した。