工業化学雑誌
Online ISSN : 2185-0860
Print ISSN : 0023-2734
ISSN-L : 0023-2734
潤滑油飽和成分と無水硫酸の反応
八木 徹也豊田 信義中西 敏明山本 次男
著者情報
ジャーナル フリー

1967 年 70 巻 1 号 p. 55-58

詳細
抄録
石油潤滑油留分の飽和成分と無水硫酸の反応において,油の反応率および反応速度と反応生成物であるスラッジの収率に対する反応条件の影響を検討した。試料として潤滑油を発煙硫酸でスルホン化して得られた局方流動パラフィンを用いた。
無水硫酸の供給速度が比較的小さい場合,反応率および収率は反応時間の経過とともに直線的に増加し,反応温度およびかきまぜ速度には無関係であった。油の反応速度は無水硫酸の供給速度の増加とともに増大するが,ある供給速度以上ではほぼ一定となった。この範囲では反応速度は気相の無水硫酸の分圧の一次に比例した。
スラッジの分析から主反応であるスルホン化以外に,飽和油の脱水素,無水硫酸の水和などの副反応の起こったことを推論した。
著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 社団法人 日本化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top