70 巻 (1967) 11 号 p. 1949-1951
さきにセルロース-水系によりメタクリル酸メチル(以下MMAと略す)がラジカル重合し,セルロース-水-四塩化炭素系によっても,ビニルモノマーがラジカル重合する機構として,開始段階に水酸基に囲まれて,H・およびCl・が安定化する状態が存在すべきであるという仮説にたっした。そこで本報告では,そのようなことが可能か否かを量子化学的立場より検討する。すなわち水酸基に囲まれたH・およびCl・の安定化エネルギーをLCAO MO法で計算し,その考察を行なう。またセルロース-水-四塩化炭素系によるビニル重合の実験結果についてもあわせて述べる。