工業化学雑誌
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炭化水素ガスによる炭素析出反応およびタングステン炭化反応における鉄およびニッケルの触媒効果
三浦 勇一内島 俊雄牧島 象二
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71 巻 (1968) 1 号 p. 86-92

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抄録

プロパンおよびメタンの分解反応を,鉄およびニッケル系触媒を用いて行ない,触媒の炭化物生成反応,炭素析出反応ならびに両者の関連等について検討した。
鉄上のプロパン分解反応では,まず炭化物生成反応,ついで炭素析出反応が起こり,いずれもS字型曲線で進行することから,核生成成長機構による反応であることが伺われる。また反応の動力学その他の知見から,炭素析出反応は初期に生成した炭化物の生成分解機構によって進行することが推定された。
炭素析出反応の定常状態における触媒が炭化物であるか金属であるかは,炭化物の再生速度と分解速度の関係で決まる。プロパン,メタン,各種前処理を施した触媒等における挙動を,上の立場で統一的に理解することができた。ニッケル触媒は鉄よりも炭素析出の活性が大きく,400℃ 以上では炭化物の生成が認められない。これは炭化ニッケルが不安定なためで,本質的にはニッケルの場合も鉄と同様な反応機構によるものと考えられる。
また,炭素析出反応に活性なこれらの触媒が,タングステン炭化反応に対しても優れた触媒作用を有することを見出した。

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